まどゐ。

~ おもゐを嗣ぎ、おもゐを纏ひ、おもゐを遣る ~ 

怪談牡丹灯篭

時代は三遊亭圓朝を求めている

三遊亭圓朝 - Wikipediaにはまってしまいました。 今の時代が求めている芸風なんだと思います。 圓朝については、このサイトに詳しいですが(787夜『円朝』小島政二郎|松岡正剛の千夜千冊)、ここに面白い記述があったので抜粋しておく。 帝国憲法が発布され…

【怪談牡丹灯篭 二十ノ一】 天網恢恢(かいかい)疎にして漏らさず(後篇) 之編  【完】

さて相川考助は宇都宮池上町の角屋へ泊り、その晩九ツの鐘の鳴るのを待ち掛けました処、もう今にも九ツだろうと思うから、刀の下緒(さげお)を取りまして襷(たすき)といたし、裏と表の目釘を湿らせ、養父相川新五兵衞から譲り受けた藤四郎吉光の刀を差し、主…

【怪談牡丹灯篭 二十】 天網恢恢(かいかい)疎にして漏らさず(前篇) 之編 

考助は図らずも十九年ぶりにて実母おりゑにめぐり逢いまして、馬喰町の下野屋と申す宿屋へ参り、互いに過ごし身の上の物語りを致して見ると、思いがけなき事にて、母方にお國源次郎がかくまわれてある事を知り、誠に不思議の思いをなしました処、母が手引き…

【怪談牡丹灯篭 十九】 陽気ますます盛んに類を呼ぶ 之編 

考助は新幡随院(しんばんずいえん)にて主人の法事を仕舞い、其の帰り道に遁(のが)れ難き剣難あり、浅傷か深傷か、運がわるければ斬り殺される程の剣難ありと、新幡随院の良石和尚という名僧智識の教えに相川新五兵衞も大いに驚き、考助はまだ漸(ようや)く二…

【怪談牡丹灯篭 十八】 さ迷える陽気 之編 

【前回のあらまし】 伴蔵は金にものを言わせて女をものにし、邪魔が女房おみねを惨殺す。無念おみねが魂が、伴蔵の店の者に乗り移り、伴蔵が悪事をしゃべり出す。びっくり伴蔵、医者を呼び寄せたが、この医者が萩原新三郎の親友のあの山本志丈。志丈、おみね…

【怪談牡丹灯篭 十七】 陰が陰を呼び、邪が邪を呼び、鬼が鬼を呼ぶ 之編 

【今日のこよみ】 旧暦2014年 2月 1日友引 四緑木星 辛未 日/戊辰 月/甲午 年 月相 29.2 朔 雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる) 【今日の気象】 天気 曇り 気温 8.6℃ 湿度 71% (大阪 6:00時点) 【前回のあらまし】 邪鬼伴蔵めは、100両の金子(きん…

【怪談牡丹灯篭 十六】 三つ子の魂百まで穢れし 之編 

【前回のあらまし】 今、ここに飯島平左衛門、不義者の狼藉により絶命す。因縁背負い、家来考助に討たれるが役目を果たすが如き、この世界から退場す。人間世界に生きる人間は欲にまみれて生きている。そしてフトした折りが重なって欲に絡め取られて地獄に落…

【怪談牡丹灯篭 十五】 陰陽まみれて風雲急を告げる 之編 

【今日のこよみ】 旧暦2014年 1月 29日大安 四緑木星 庚午 日/丁卯 月/甲午 年 月相 28.2 雨水 次候 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 【今日の気象】 天気 曇り 気温 11.0℃ 湿度 94% (大阪 6:00時点) 【前回のあらまし】 人非人(ひとでなし)の手引きによ…

【怪談牡丹灯篭 十四】 あぁ哀しき地獄絵図 之編

【前回のあらまし】 飯島の家内の盗金騒動は、主人平左衛門が機転にて一件落着。ところが、明日は遂に、お國と源次郎の平左衛門殺し決行の日。考助は平左衛門に釣りに行くのを止める旨の進言致すも叶わず。しからばと、お國と源次郎をこの夜屋敷内で突き殺し…

【怪談牡丹灯篭 十三】 因果応報の雷(いかずち)落つ 之編

【前回のあらまし】 黄泉竃食(よもつへぐ)ひしたる者は現世へ戻れずの伝えあり。黄泉醜女(よみしこめ)と取引する者も同類なるのが天の定め。欲に眩んで恩ある者を裏切る、人でなしが伴蔵夫婦。まんまと幽霊から100両もの金子をせしめこむ。箍(たが)がはずれ…

【怪談牡丹灯篭 十二】 亡者とひとでなしの取引 之編

【今日のこよみ】 旧暦2014年 1月 28日仏滅 四緑木星 己巳 日/丁卯 月/甲午 年 月相 27.2 雨水 次候 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 【今日の気象】 天気 雨 気温 9.6℃ 湿度 65% (大阪 6:00時点) 【前回のあらまし】 飯島の家で、姿なき賊が100両盗んで…

【怪談牡丹灯篭 十一】 陰陽さかんに鬩(せめ)ぐ 之編

【前回のあらまし】 新三郎に纏(まと)わりつく二つの妖気。この妖気、死してもおもゐが尽きず、新三郎が敷地に住む伴蔵の寝床に夜な夜な訪れ、ある懇願をしていた。新三郎に多大な恩ある身である伴蔵夫婦、この恩を奇貨に邪(よこしま)な策を企てる。この人間…

【怪談牡丹灯篭 十】 未練ひらめくひらひら舞う鬼火 之編

【前回のあらすじ】妾のお國と隣の家の源次郎が企む主人平左衛門殺害の計をただ知る、草履取考助。この考助をあの手この手で追い落とそうとする邪鬼二匹。ある日邪な策を思い立ち、実行に移すが、陽気あふれる考助の前では通用せず失敗に終わる。一方、こち…

【怪談牡丹灯篭 九】 ドス黒いはかりごと 之編

【今日のこよみ】 旧暦2014年 1月 27日先負 四緑木星 戌辰 日/丁卯 月/甲午 年 月相 26.2 雨水 次候 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 【今日の気象】 天気 晴れ 気温 3.4℃ 湿度 64% (大阪 6:00時点) 【前回のあらすじ】 萩原新三郎は、思い合っていたお露…

【怪談牡丹灯篭 八】 哀しき百鬼夜行 之編

【前回のあらすじ】 飯島家内を取り仕切る妾のお國と隣の家の次男源次郎は、主人平左衛門から賜る多大の恩を仇で返す、邪鬼のごとく企みを練っていた。只一人この企みを知る草履取の考助は、忠心まっすぐ陽気を光り、平左衛門の命を守ることのみに念を入れて…

【怪談牡丹灯篭 七】 妖気の中に差す一条の陽気 之編

【今日のこよみ】 旧暦2014年 1月 26日友引 四緑木星 丁卯 日/丁卯 月/甲午 年 月相 25.2 雨水 次候 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 【今日の気象】 天気 晴れ 気温 4.2℃ 湿度 57% (大阪 6:00時点) 【前回のあらすじ】 人間世界に妖気が増しゃあ、百鬼供…

【怪談牡丹灯篭 六】 黄泉比良坂(よもつひらさか)を舞う淡い風 之編

【前回までのあらすじ】 満ちれば欠ける、諸行無常のこの人間世界。飯島平左衛門の名門にも、この風の勢いが増し始めた。奥方が死んでから家内を取り仕切る妾のお國が、この風にさらされて人でなしの化けの皮をさらけ出す。隣の家の次男源次郎と密通し、平左…

【怪談牡丹灯篭 五】 邪(よこしま)なる風 之編

【前回のあらすじ】 飯島平左衛門はひょんなことから、奉公人考助が昔自分が斬り捨てた浪人の息子であること、その息子が親父の仇を討つことを胸に秘めていることを知るが、考助の人柄に引かれて目にかけていた。一方、娘のお露は、浪人萩原新三郎を見初め …

【怪談牡丹灯篭 四】 真昼の夢 之編

【今日のこよみ】旧暦2014年 1月 25日先勝 四緑木星 丙寅 日/丁卯 月/甲午 年 月相 24.2 雨水 次候 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 【今日の気象】 天気 晴れ 気温 0.9℃ 湿度 54% (大阪 6:00時点) 【前回のあらすじ】 ご直参の旗本 飯島平左衛門は妻を亡…

【怪談牡丹灯篭 三】 因縁なる邂逅 之編

【前回のあらすじ】 飯島平太郎が浪人黒川孝蔵を斬り捨てた日から幾年かが過ぎ、平太郎は御親父(ごしんぷ)の名前平左衛門を継ぎ、奥方を迎い入れ、一粒種の娘御お露も生れ、満ち満ちた日常を送っていた。しかし、満ちれば欠けるのが世の習い。飯島家も奥方が…

【怪談牡丹灯篭 二】 華の薫りに誘われて舞う二匹のてふてふ 之編

【今日のこよみ】旧暦2014年 1月 24日赤口 四緑木星 乙丑 日/丁卯 月/甲午 年 月相 23.2 下弦 雨水 初候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) 【今日の気象】 天気 晴れ 気温 0.8℃ 湿度 62% (大阪 3:00時点) 【前回のあらすじ】 寛保4年の正月、湯島天…

【怪談 牡丹灯篭 一】 飯島平太郎、孝蔵を斬り捨てる之編

人間社会はふとしたきっかけで鬼畜のごとく地獄絵図を映し出す。 今の世は、先人の努力のお蔭で映し出される地獄絵図の頻度も昔と比べれば多くはない。 しかし、この世から地獄が無くなることは決してない。そして、いつ自分がこの地獄絵図の中に放り込まれ…