まどゐ。

~ おもゐを嗣ぎ、おもゐを纏ひ、おもゐを遣る ~ 

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【改訳 怪談 乳房榎】 第十講

思いがけなく浪江に心腹を明かされました、正助は歯の根も合いませぬほどで、飲んだ酒もさめまして、体中がゾクゾクして参りましたが、逃げます訳にも行きませんから、ただ恐ろしい人だと浪江の顔を見つめております。 浪江は、平気で酒を飲み盃を下へ置きま…

【改訳 怪談 乳房榎】 第九講

【今日のこよみ】 旧暦2014年 2月 6日 先勝 四緑木星 丙子 日/戊辰 月/甲午 年 月相 4.8 啓蟄 末候 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) 【今日の気象】 天気 晴れ 気温 1.9℃ 湿度 59% (大阪 6:00時点) そばで浪江が酒をすすめますから、正助は段々酔いが回…

【改訳 怪談 乳房榎】 第八講

いらっしゃいまし、お二階へと言うので両人は二階へ上がりました。 「浪江様、ここは煮売酒屋(にうりざかや)(*1)だね」 「煮売酒屋という者があるものか。ここはこの辺では名代のこれでも料理屋デ」 「料理屋だって、魚なんかを煮て客へ出して、そうして酒も…

【老子道徳経 第三十二章】 モトへのおもゐ

道常無名樸。雖小、天下莫能臣也。 侯王若能守之、萬物將自賓。天地相合、以降甘露、民莫之令、而自均。 始制有名。名亦既有、夫亦將知止。知止所以不殆。 譬道之在天下、猶川谷之於江海。 【書き下し文】 道は常に無名の樸(ぼく)なり。小なりと雖(いえど)も…

【改訳 怪談 乳房榎】 第七講

【今日のこよみ】 旧暦2014年 2月 5日 赤口 四緑木星 乙亥 日/戊辰 月/甲午 年 月相 3.8 雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる) 【今日の気象】 天気 雨 気温 7.8℃ 湿度 83% (大阪 6:00時点) 重信は喜びまして、 「これは誠にかたじけない。私は下戸…

【改訳 怪談 乳房榎】 第六講

サァどうだと、我が子の胸へ刃を差し突けられたおきせは、しばし言葉もありませんでしたが、男と違いまして女は胸の狭いもんで、心に変な考えをつけたのか、 「それじゃあ、たった一度ですよ」 「エ、それでは得心なさるか。それは不思議。イエそれはよい御…

【改訳 怪談 乳房榎】 第五講 

【今日のこよみ】 旧暦2014年 2月 4日大安 四緑木星 甲戌 日/戊辰 月/甲午 年 月相 2.8 雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる) 【今日の気象】 天気 晴れ 気温 0.9℃ 湿度 30% (大阪 6:00時点) 浪江はわざと落ち着きまして。 「これ、静かにしなさい。…

【改訳 怪談 乳房榎】 第四講 

さて、菱川重信は下男の正助を連れまして高田の南蔵院へ赴きました後は、きせと子供の眞與太郎(まよたろう)とお花という下女ばかりでございますから、ここぞと思いましてお淋しかろうというので、磯貝浪江(いそがいなみえ)が毎日欠かさず留守を見舞います。 …

【改訳 怪談 乳房榎】 第三講 

【今日のこよみ】 旧暦2014年 2月 3日仏滅 四緑木星 癸酉 日/戊辰 月/甲午 年 月相 1.8 雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる) 【今日の気象】 天気 晴れ 気温 5.9℃ 湿度 64% (大阪 6:00時点) どぅれ、、、、、と、下女のお花が取り次ぎに出まして、…

【改訳 怪談 乳房榎】 第二講 

間與島伊惣次(まよじまいそうじ)様のご家内おきせ様は前に述べます通り柳島路考(やなぎしまろこう)という噂をされるほどのすこぶる美人でありますが、かえってこれがその身に災いを及ぼす種と後に思い当たりますが、御夫婦仲は至って睦ましいが、満ちれば欠…

【改訳 怪談 乳房榎】 第一講 

【今日のこよみ】 旧暦2014年 2月 2日先負 四緑木星 壬申 日/戊辰 月/甲午 年 月相 0.8 雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる) 【今日の気象】 天気 曇り 気温 7.0℃ 湿度 70% (大阪 6:00時点) さて、さて、今般より引き続きまして御機嫌をうかがいま…

時代は三遊亭圓朝を求めている

三遊亭圓朝 - Wikipediaにはまってしまいました。 今の時代が求めている芸風なんだと思います。 圓朝については、このサイトに詳しいですが(787夜『円朝』小島政二郎|松岡正剛の千夜千冊)、ここに面白い記述があったので抜粋しておく。 帝国憲法が発布され…

【怪談牡丹灯篭 二十ノ一】 天網恢恢(かいかい)疎にして漏らさず(後篇) 之編  【完】

さて相川考助は宇都宮池上町の角屋へ泊り、その晩九ツの鐘の鳴るのを待ち掛けました処、もう今にも九ツだろうと思うから、刀の下緒(さげお)を取りまして襷(たすき)といたし、裏と表の目釘を湿らせ、養父相川新五兵衞から譲り受けた藤四郎吉光の刀を差し、主…

【怪談牡丹灯篭 二十】 天網恢恢(かいかい)疎にして漏らさず(前篇) 之編 

考助は図らずも十九年ぶりにて実母おりゑにめぐり逢いまして、馬喰町の下野屋と申す宿屋へ参り、互いに過ごし身の上の物語りを致して見ると、思いがけなき事にて、母方にお國源次郎がかくまわれてある事を知り、誠に不思議の思いをなしました処、母が手引き…

【怪談牡丹灯篭 十九】 陽気ますます盛んに類を呼ぶ 之編 

考助は新幡随院(しんばんずいえん)にて主人の法事を仕舞い、其の帰り道に遁(のが)れ難き剣難あり、浅傷か深傷か、運がわるければ斬り殺される程の剣難ありと、新幡随院の良石和尚という名僧智識の教えに相川新五兵衞も大いに驚き、考助はまだ漸(ようや)く二…

【怪談牡丹灯篭 十八】 さ迷える陽気 之編 

【前回のあらまし】 伴蔵は金にものを言わせて女をものにし、邪魔が女房おみねを惨殺す。無念おみねが魂が、伴蔵の店の者に乗り移り、伴蔵が悪事をしゃべり出す。びっくり伴蔵、医者を呼び寄せたが、この医者が萩原新三郎の親友のあの山本志丈。志丈、おみね…

【怪談牡丹灯篭 十七】 陰が陰を呼び、邪が邪を呼び、鬼が鬼を呼ぶ 之編 

【今日のこよみ】 旧暦2014年 2月 1日友引 四緑木星 辛未 日/戊辰 月/甲午 年 月相 29.2 朔 雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる) 【今日の気象】 天気 曇り 気温 8.6℃ 湿度 71% (大阪 6:00時点) 【前回のあらまし】 邪鬼伴蔵めは、100両の金子(きん…