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まどゐ。

~ おもゐを嗣ぎ、おもゐを纏ひ、おもゐを遣る ~ 

【怪談牡丹灯篭 十一】 陰陽さかんに鬩(せめ)ぐ 之編

【前回のあらまし】
新三郎に纏(まと)わりつく二つの妖気。この妖気、死してもおもゐが尽きず、新三郎が敷地に住む伴蔵の寝床に夜な夜な訪れ、ある懇願をしていた。新三郎に多大な恩ある身である伴蔵夫婦、この恩を奇貨に邪(よこしま)な策を企てる。この人間世界、欲に眩(くら)むと黄泉比良坂(よもつひらさか)を転がり落ちるのが常。恩と金子(きんす)を秤にかけて、己の心が試される。

 

 
二十四日は飯島様はお泊り番で、お國は只寝ても覚めても考えるには、どうがなして宮野邊の次男源次郎と一つになりたい、ついては来月の四日に、殿様と源次郎と中川へ釣に行く約束がある故、源次郎に殿様を川の中へ突落させ、殺してしまえば、源次郎は飯島の家の養子になるまでの工夫は付いたものの、この密談を考助に立聞かれましたから、どうがな工夫をして考助に暇を出すか、殿様のお手打ちにでもさせる工夫はないかと、いろいろと考え、ついには疲れてトロトロまどろむかと思うと、ふと目が覚めて、と見れば、二間隔っている襖がスウーとあきます。
 
以前は屋敷方にては暑中でもすだれ障子はなかったもので、縁側はやはり障子、中は襖で立て切ってありまするのが、サラサラと開いたかと思うと、スラリスラリと忍び足で歩いて参り、又次のお居間の襖をスラリスラリと開けるから、お國はハテナ誰かまだ起きているかと思っていると、地袋の戸がガタガタと音がしたかと思うと、錠を明ける音がガチガチと聞えましたから、ハテナと思う内スウーットンと襖をしめ、ピシャリピシャリと裾を引くような塩梅で台所の方へ出て行きますから、ハテ変な事だと思い、お國は気丈な女でありますから起き上がり、雪洞(せっちん)を点け行って見ると、誰もいない。
 
シテ地袋の方を見ると戸が明け放してあって、お納戸ちりめんの胴巻が外の方へ流れ出していたのに驚いて調べて見ると、殿様のお手文庫(小箱)の錠前をねじ切り、胴巻の中にあった百目の金子が紛失いたしたに、さては盗賊かと思うと後が怖気立って憶するもので、お國も一時驚いたが、たちまち一計を考え出し、この胴巻の金子の紛失したるをさいわいに、これを証拠として、考助を盗賊に落とし、殿様にたきつけて、お手打にさせるか暇を出すか、どの道かにしようと、その胴巻を袂(たもと)に入れおき、臥床(ふしど)に帰って寝てしまい、翌日になっても知らぬ顔をしており、考助には弁当を持たせて殿様のお迎いに出してやり、その後へ源助という若党がほうきをさげてお庭の掃除に出てまいりました。
 
「源助どん」
 
「へいへいお早うございます、いつも御機嫌よろしゅう、この節は日中は大層いきれて凌ぎ兼ねます、今年のような厳しい事はございません、どうも暑中より厳しいようでございます」
 
「源助どん、お茶がはいったから一杯飲みな」
  
「へい有り難うございます、お屋敷様は高台でございますから、余程風通しもよくて、へい御門はどうもことごとく熱うございまする、へい。これはどうも有り難うございまする、私は御酒をいただきませんからお茶は誠に結構で、時々お茶を戴きまするのは何よりの楽みでございまする」
 
「源助どん、お前は八ヶ年前御当家へ来て中々正直者だが、考助は三月の五日に当家へ御奉公に来たが、考助は殿様の御意に入りを鼻にかけて、この節は増長して我儘になったから、お前も一つ部屋にいて、時々は腹の立つ事もあるだろうねえ」
 
「いえいえどう致しまして、あの考助ぐらいな善く出来た人間はございません、その上殿様思いで、殿様の事と言うと気違いのようになって働きます、年はまだ二十一だそうですが、中々届いたものでございます、そして誠に親切な事は私も感心致しました、先達て私の病気の時も考助が夜ぴて寝ないで看病をしてくれまして、朝も眠むがらずに早くから起きて殿様のお供を致し、あの位な情合のある男はないと私は実に感心をしております」
 
「それだからお前は考助にばかされているのだよ、考助はお前の事を殿様にどんなに胡麻をするだろう」
 
「ヘエー胡麻をすりますか」
 
「お前は知らないのかえ、この間考助が殿様に言い付けるのを聞いていたら、源助は何うも意地が悪くて奉公がしにくい、一つ部屋にいるものだから、源助が新参ものと侮り、いろいろにいじめ、私に何も教えてくれませんで仕損じるようにばかり致し、お茶がはいっておいしい物を戴いても、源助が一人で食べて仕舞って私にはくれません、本当に意地の悪い男だというものだから、殿様もお腹をお立ち遊ばして、源助は年甲斐もない憎い奴だ、今に暇を出そうと思っていると仰しゃったよ」
 
「へい、これはどうも、考助は途方もない事を言ったもので、これはどうも、私は考助にそんな事をいわれる覚えはございません、おいしい物を沢山に戴いた時は、考助殿お前は若いから腹が減るだろうと言って、みな考助にやって食べさせるくらいにしているのに何たる事でしょう」
 
「そればかりじゃアないよ考助は殿様の物をくすねるから、お前考助と一緒にいると今に掛り合いだよ」
 
「へい何か盗りましたか」
 
「へいたッて、お前は何も知らないから今に掛り合いになるよ、たしかに殿様の物を取った事を私は知っているよ、私は先刻から女部屋のものまで検(あらた)めている位だから、お前はちょっと考助の文庫(小箱)をここへ持って来ておくれ」
 
「かかわり合いになっては困ります」
 
「それは私がよいように殿様に申上げて置いたから、そっと考助の文庫を持って来な」
 
といわれて、源助はもとより人が好いからお國に奸策(わるだくみ)あるとは知らず、部屋へ参りて考助の文庫を持って参ってお國の前へ差出すと、お國は文庫の蓋を明け、中を検(あらた)める振りをしてそっとあのお納戸ちりめんの胴巻を袂から取出して中へズッと差込んで置いて。
 
「呆れたよ、殿様の大事な品がここに入っているんだもの、今に殿様がお帰りの上で目っ張りこで皆の物を検めなければ、私のお預りの品が失なったのだから、私が済まないよ、きっと詮議を致します」
 
「へい、人は見かけによらないものでございますねえ」
 
「この文庫を見た事を黙っておいでよ」
 
「へいよろしゅうございます」
 
と文庫を持って立ち帰り、元の棚へ上げておきました。すると八ツ時、今の三時半頃殿様がお帰りになりましたから、玄関まで皆々お出迎いをいたし、殿様は奥へ通りお褥(しとね)の上にお坐りなされたから、いつもならば出来立てのお供えのようにお國が側から団扇で扇ぎ立て、ちやほやいうのだが、いつもと違ってふさいでいる故、
 
「お國、大分すまん顔をしているが、気分でも悪いのか、どうした」
 
「殿様申し訳のない事が出来ました、昨晩お留守に盗賊がはいり、金子が百目紛失いたしました、あのお納戸ちりめんの胴巻に入れておいたのを胴巻ぐるみ紛失いたしました、何でも昨晩の様子で見ると、台所口の障子が明いたようで、外は締りは厳重にしてあって、誰もおりませんから、よく検(あらた)めますと、お居間の地袋の中にあるお文庫の錠前がねじ切ってありました、それから驚いて毘沙門様に願がけをしたり、占者に見てもらうと、これは内々の者が取ったに違いないと申しましたから、皆の文庫や葛籠(つづら)を検めようと思っております」
 
「そんな事をするには及ばない、内々の者に、百両の金を取る程の器量のある者は一人もいない、他から入った賊であろう」
 
「それでも御門の締りは厳重に付けておりますし、只台所口が開いていたのですから、内々の者をひと通り詮議をいたします、……アノお竹どん、おきみどん、皆こちらへ来ておくれ」
 
「とんだ事でございました」
 
「私はお居間などにはお掃除のほか参った事はございませんが、さぞ御心配な事でございましょう、私なぞは昨晩の事はさっぱり存じませんでございます、誠に驚き入りました」
 
「手前達を疑ぐる訳ではないが、おれが留守で、國が預り中の事ゆえ心配をいたしているものだから」
 
「恐れ入ります、どうぞお検め下さいまし」
 
と銘々葛籠(つづら)を縁側へ出す。
 
「たけの文庫にはどういう物が入っているか見たいナなるほどたまかな女だ、一昨年遣わした手拭がチャンとしてあるな、女という者は小切れの端でもチャンと畳紙(たとう)へいれて置く位でなければいかん、おきみや、手前の文庫を一ツ見てやるからこちらへ出せ」
 
「私のはどうぞ御免あそばして、殿様が直に御覧あそばさないで下さい」
 
「そうはいかん、竹のを検めて手前のばかり見ずにいては怨みッこになる」
 
「どうぞ御勘弁恐れ入ります」
 
「何も隠す事はない、なるほど、ハヽア大層枕草紙(まくらぞうし)をためたな」
 
「恐れ入ります、貯めたのではございません、親類内から到来をいたしたので」
 
「言い訳をするな、着物が増えると言うからいいわ」
 
「アノ男部屋の考助と源助の文庫を検めて見とうございます、お竹どんちょっと二人を呼んでおくれ」
 
「考助どん、源助どん、殿様のお召でございますよ」
 
「へいへいお竹どんなんだえ」
 
「お金が百両紛失して、内々の者へお疑いがかかり、今お調べの所だよ」
 
「何処から入ったろう、何しろ大変な事だ、何しろ行って見よう」
 
と両人飯島の前へ出て来て、
 
「承りびっくり致しました、百両の金子が御紛失になりましたそうでございますが、考助と私と御門を堅く守って居りましたに、どういう事でございましょう、さぞ御心配な事で」
 
「なに國が預り中で、大層心配をするからちょっと検めるのだ」
 
「考助どん、源助どん、お気の毒だがお前方二人はどうも疑られますよ、葛籠をここへ持っておいで」
 
「お検めを願います」
 
「これきりかえ」
 
「一切合切一世帯これきりでございます」
 
「おやおやまア、着物を袖だたみにして入れておくものではないよ、ちゃんと畳んでお置きな、これは何だえ、ナニ寝衣(ねまき)だとえ、あい変らず無性をして丸めておいて汚いねえ、この紐は何だえ、虱紐(しらみひも)だとえ、汚いねえ、考助どんお前のをお出し、この文庫きりか」
 
と、ここにぶっちゃけいたしましたが、元より入れて置いた胴巻ゆえあるに違いない。
お國はこれ見よがしに団扇の柄に引掛けて、すッと差上げ、
 
「おい考助どんこの胴巻はどうしてお前の文庫の中に入っていたのだ」
 
「おやおや、おや、さっぱり存じません、どう致したのでしょう」
 
「おとぼけでないよ、百両のお金がこの胴巻ぐるみ紛失したから、おみくじの占いをしたりでと心配をしているのです、これが失くなってはどうも私が殿様に済まないからお金を返しておくれよ」
 
「私は取った覚えはありません、どんな事が有っても覚えはありません、へいへいどういう訳でこの胴巻が入っていたか存じません、へえ」
 
「源助どん、お前は一番古くこのお屋敷にいるし、年かさも多い事だから、これは考助どんばかりの仕業ではなかろう、お前と二人で心を合せてした事に違いない、源助どんお前から先へ白状しておしまい」
 
「これは、私はどうも、これ考助や考助や、どうしたんだ、おれが迷惑を受けるだろうじゃないか、私はこのお屋敷に八ヶ年も御奉公をして、殿様から正直と言われているのに年嵩(としかさ)だものだから御疑念を受ける、考助どうしたか言わねえか」
 
「私は覚えはないよ」
 
「覚えはないといったって、胴巻の出たのはどうしてなのだ」
 
「どうして出たか私ゃ知らないよ、胴巻は自然に出て来たのだもの」
 
「自然に出たと言ってすむかえ、胴巻の方から文庫の中へ駆け込むやつがあるものか、そらぞらしい、そんな優しい顔つきをして本当に怖い人だよ、恩も義理も知らない犬畜生とはお前の事だ、私が殿様にすまない」
 
と考助の膝をグッと突く。
 
「何をなさいます、私は覚えはございません、どんな事があっても覚えはございません、覚えはございません」
 
「源助どん、お前から先へ白状おしよ」
 
「考助、おれが困る、おれが智慧でも付けたようにお疑ぐりがかかり、困るから早く白状しろよ」
 
「私ゃ覚えはない、そんな無理な事を言ってもいけないよ、ほかの事と違って、大それた、家来が御主人様のお金を百両取ったなんぞと、そんな覚えはない」
 
「覚えがないとばかり言っても、それじゃア胴巻の出た趣意が立たねえ、おれまで御疑念がかかり困るから、早く白状して殿様の御疑念を晴してくれろ」
 
とこづかれて、考助は泣きながら、ただ残念でございますと言っていると、お國は先夜の意趣を晴すはこの時なり、今日こそ考助が殿様にお手打ちになるか追い出されるかと思えば、心地よく、わざと
 
「考助どん云わないか」
 
と言いながら力まかせに孝助の膝をつねるから、孝助は身にちっとも覚えなき事なれど、証拠があれば言い解く術もなく、くやし涙を流し、
 
「痛うございます、どんなに突かれてもつねられても、覚えのない事は言いようがありません」
 
「源助どん、お前から先へ言ってしまいな」
 
「考助云わねえか」
 
と言いながらドンと突飛ばす。
 
「何を突き飛ばすのだね」
 
「いつまでも言わずにいちゃアおれが迷惑する、言いなよ」
 
と又突飛ばす。孝助は両方からつねられ突飛ばされたりして、残念で堪らない。
 
「突き飛ばしたって覚えはない、お前もあんまりだ、一つ部屋にいておれの気性も知っているじゃアないか、お庭の掃除をするにも草花一本も折らないように気を付け、釘一本落ちていてもすぐに拾って来て、お前に見せるようにしているじゃアないか、おらの心も知っていながら、人を盗賊と疑ぐるとは余り酷いじゃアないか、そんなにキャアキャアいうと殿様までが私を疑ぐります」
 
始終を聞いていた飯島は大声を上げて、
 
「黙れ考助、主人の前もはばからず大声を発して怪しからぬ奴、覚えがなければどうして胴巻が貴様の文庫の中にあったか、それを申せ、どうして胴巻があった」
 
「どうして有りましたか、さっぱり存じません」
 
「ただ存ぜぬ知らんと言って済むと思うかえ、不埓な奴だ、おれがこれほど目を懸けてやるにサ、その恩義を打ち忘れ、金子を盗むとは不届きものめ、手前ばかりではよもあるまい、外に同類があるだろう、さア申し訳が立たんければ手打にしてしまうから左様心得ろ」
 
と云放つ。源助は驚いて、
 
「どうかお手打の処は御勘弁を願います、へい又何者にか騙されましたか知れませんから、とくと源助が取り調べ御挨拶を申上げまする迄お手打ちの処はお日延べを願いとう存じます」
 
「黙れ源助、さような事を申すと手前まで疑念が懸かるぞ、考助をかばい立てすると手前も手打ちにするから左様心得ろ」
 
「これ孝助、お詫びを願わないか」
 
「私は何もお詫びをするような不埓をした事はない、殿様にお手打ちになるのは有り難い事だ、家来が殿様のお手に掛って死ぬのは当然の事だ、御奉公に来た時から、身体は元より命まで殿様に差し上げている気だから、死ぬのは元より覚悟だけれど、これまで殿様の御恩になったその御恩を考助が忘れたと仰しゃった殿様のお言葉、そればかりが冥途のさわりだ、しかしこれも無実の難で致し方がない、後でその金を盗んだ奴が出て、ああ考助が盗んだのではない、考助は無実の罪であったという事が分るだろうから、今お手打ちになっても構わない、さア殿様スッパリとお願い申します、お手打ちになさいまし」
 
とすり寄ると、
 
「今は日のあるうち血を見せては穢れる恐れがあるから、夕景になったら手打ちにするから、部屋へ参って蟄居しておれ、これ源助、考助を取り逃がさんように手前に預けたぞ」
 
「孝助お詫びを願え」
 
「お詫びする事はない、お早くお手打を願います」
 
「考助よく聞け、匹夫下郎という者はおれの悪い事を余所にして、主人を怨み、むごい分らんと我を張って自から舌なぞを噛み切り、或は首をくくって死ぬ者があるが、手前は武士の胤(たね)だという事だから、よも左様な死にようは致すまいな、手打ちになるまできっと待っていろ」 
 
と言われて考助はくやし涙の声を慄わせ、
 
「そんな死にようは致しません、早くお手打ちになすって下さいまし」
 
「これ考助お詫びを願わないか」
 
「どうしても取った覚えはない」
 
「殿様は荒い言葉もお掛けなすった事もなかったが大枚の百両の金が紛失したので、金ずくだから御もっともの事だ、お隣の宮野邊の御次男様にお頼み申し、お詫び言を願っていただけ」
 
「隣の次男なんぞに、たとえ舌を喰って死んでも詫び言なぞは頼まねえ」
 
「そんなら相川様へ願え、新五兵衞様へサ」
 
 
「何も失錯(しくじり)の廉(かど)がないものを、何も覚えがないのだから、あとで金の盗人が知れるに違いない、天誠を照すというから、その時殿様が御一言でも、ああ孝助は可愛相な事をしたと言って下されば、そればっかりが私へのよい手向けだ。
 
源助どん、お前にも長らく御厄介になったから、相川様へ養子に行くようになったら、小遣いでも上げようと心懸けていたのも、今となっては水の泡、どうぞ私がない後は、お前が一人で二人前の働きをして、殿様を大切に気を付け、忠義を尽して上げて下さい、そればかりがお願いだ、それに源助どんお前は病身だから体を大切に厭って御奉公をし、丈夫でいておくれ、私は身に覚えのない盗賊におとされたのが残念だ」
 
 
と声を放って泣き伏しましたから、源助も同じく鼻をすすり、涙をこぼして眼をこすりながら、
 
「わび事を頼めよ、わび事を頼めや」
 
「心配おしでないよ」
 
と考助はいよいよ手打ちになる時は、隣の次男源次郎とお國と姦通し、あまつさえ来月の四日中川で殿様を殺そうというたくらみの一伍一什(いちぶしじゅう)をくわしく殿様の前へ並べ立て、そしてお手打ちになろうという気でありますから、少しも憶する色もなく、平常の通りでいる。その内に灯がちらちら点く時刻となりますと、飯島の声で、
 
「考助庭先へ廻れ」
 
という。この後はどうなりますか、次回までお預り。
 
 
 

 

亡者とひとでなしの取引 之編に続く