【老子道徳経 第七十八章】 現象と本質を区別する
【今日のこよみ】 旧暦2014年 4月17日 友引 四緑木星
丙戌 日/庚午 月/甲午 年 月相 15.9 望 大潮
立夏 末候 竹笋生(たけのこしょうず)
【今日の気象】 天気 曇り 気温 14.1℃ 湿度 60% (大阪 6:00時点)
天下莫柔弱於水。
而攻堅強者、莫之能勝。以其無以易之。
弱之勝強、柔之勝剛、天下莫不知、莫能行。
是以聖人云、受國之垢、是謂社稷主、受國不祥、是謂天下王。
正言若反。
【書き下し文】
天下に水より柔弱(じゅうじゃく)なるは莫(な)し。而(しか)も堅強(けんきょう)を攻むる者、これに能(よ)く勝る莫し。その以(も)ってこれを易(か)うるもの無きを以ってなり。
弱の強に勝ち、柔の剛に勝つは、天下知らざる莫きも、能く行なう莫し。
ここを以って聖人は云(い)う、国の垢を受く、これを社稷(しゃしょく)の主と謂(い)い、国の不祥(ふしょう)を受く、これを天下の王と謂うと。
正言(せいげん)は反(はん)するが若(ごと)し。
【私的解釈】
この世の中に水よりも柔らかで弱々しいモノはない。しかしながら、強くてしっかりしたモノを打ち崩すのに、水より勝ったモノはない。水の持つ性質を変えてしまうチカラがこの世の中には存在しないのである。
弱々しいモノがかえって強いものに勝ち、柔らかなモノがかえって堅いモノに勝つということは、世の中の人々の知るところではあるが、このことが実際に言葉の通りの現象になって現れるわけではないというのが本当のところだ。
それゆえ聖人は、「国の屈辱を甘んじてその身に受ける人を国の主といい、国の災害を甘んじてその身に受ける人を世の中に君臨する王である」と、言っている。
本当の正しい言葉は、反対の視点から言い伝えられているものなのだ。
【雑感】
水の持つ神秘なるチカラは強大である。
この水の持つチカラを自在に操る存在を日本人は神様として崇めて来た。
日本の水神[編集]
農耕民族にとって水は最も重要なものの一つであり、水の状況によって収獲が左右されることから、日本においては水神は田の神と結びついた。田の神と結びついた水神は、田のそばや用水路沿いに祀られていることが多い。また、水源地に祀られる水神(水分神(みくまりのかみ))は山の神とも結びついている。農耕以外の日常生活で使用する水については、井戸・水汲み場に水神が祀られる。
水神の象徴として河童、蛇、龍などがあり、これらは水神の神使とされたり、神そのものとされたりする。
日本神話には、水に関する神として以下のような神が登場する。
京都の貴船(きふね)神社も水を司る高龗神(タカオカミノカミ)を御祭神としている。
水を司る神様を崇めて来た結果が、この美しい日本列島の今の姿なのである。
内宮
上の地図の左下をクリックして航空写真による地図に切り替えて、日本列島を一覧した後、朝鮮半島を経て中国内陸部まで俯瞰すると、 日本列島の青々しさに感動すると思う。
たまたまこの青々しさが維持されてきたわけでは無いことを、大陸の無残な現況を見て思い知るべきだと思う。