【老子道徳経 第五十四章】 ご先祖を敬う
【今日のこよみ】 旧暦2014年 3月21日 大安 四緑木星
辛酉 日/己巳 月/甲午 年 月相 20.3
穀雨 初候 葭始生(あしはじめてしょうず)
【今日の気象】 天気 曇り 気温 8.6℃ 湿度 55% (大阪 6:00時点)
善建者不抜、善抱者不脱。
子孫以祭祀不輟。
修之於身、其徳乃眞。
修之於家、其徳乃餘。
修之於郷、其徳乃長。
修之於邦、其徳乃豐。
修之於天下、其徳乃普。
故以身觀身、以家觀家、以郷觀郷、以邦觀邦、以天下觀天下。
吾何以知天下然哉。以此。
【書き下し文】
善く建てたるは抜けず、善く抱けるは脱せず。
子孫以(も)って祭祀して輟(や)まず。
これを身に修むれば、その徳は乃(すなわ)ち真なり。
これを家に修むれば、その徳は乃ち余りあり。
これを郷(きょう)に修むれば、その徳は乃ち長し。
これを邦(くに)に修むれば、その徳は乃ち豊(ゆた)かなり。
これを天下に修むれば、その徳は乃ち普(あまね)し。
故に身を以って身を観(み)、家を以って家を観、郷を以って郷を観、邦を以って邦を観、天下を以って天下を観る。
吾れ何を以って天下の然(しか)るを知るや。これを以ってなり。
【私的解釈】
しっかりした柱を打って建てられた家は、崩れたりせず、しっかりと蓄え込まれた財産は、失われることがない。
このお陰で、子孫は代々に渡り先祖を供養することができる。
この行為を個人の習慣とすれば、その功徳は間違いない確かなモノとなる。
この行為を一族の習慣とすれば、その功徳は有り余るほどのモノとなる。
この行為を地域の習慣とすれば、その功徳は長期にわたって続くモノとなる。
この行為を国の習慣とすれば、その功徳は長期にわたって豊かなモノとなる。
この行為を世界中の習慣とすれば、その功徳は世界中に行き渡る。
だから、個人がこの習慣を実践しているかどうかでこの個人を判断し、一族がこの習慣を実践しているかどうかでこの一族を判断し、地域がこの習慣を実践しているかどうかでこの地域を判断し、国がこの習慣を実践しているかどうかでこの国を判断し、世界がこの習慣を実践しているかどうかで今の世界を判断する。
私が、世界の情勢をどのように判断するかといえば、以上の原則により判断するのである。
【雑感】
日本では歴代の天皇の御陵(お墓)がきちんと管理されている。
対して一般の人達の間では散骨が広まっているそうだ。
人それぞれの思想のことなので今後も散骨を希望する人は増えるであろう。一方で、伝統的なお墓を代々引き継ぐことに固執する人も残るであろう。
ただ、日本では歴代の天皇陵がきちんと指定されて管理されており、今現在も皇室において祭祀が連綿と継続して行われて来ている。散骨を考える前に、この事実の重さと意義を各々がきちんと考える時に来ているのかも知れない。