【老子道徳経 第八章】 水のココロ
【今日のこよみ】 旧暦2013年10月10日先勝 五黄土星
壬午 日/癸亥 月/癸巳 年 月相 8
立冬 次候 地始凍(ちはじめてこおる)
上善若水。
水善利萬物而不爭、處衆人之所惡。
故幾於道。
居善地、心善淵、與善仁、言善信、正善治、事善能、動善時。
夫唯不爭、故無尤。
【書き下し文】
上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し。
水は善(よ)く万物を利して而(しか)も争わず、衆人(しゅうじん)の悪(にく)む所に処(お)る。
故(ゆえ)に道に幾(ちか)し。
居(きょ)には地が善く、心には淵(えん)が善く、与(まじわり)には仁が善く、言には信が善く、正(政)には治が善く、事には能が善く、動には時が善し。
それ唯(た)だ争わず、故に尤(とが)め無し。
【私的解釈】
最上の善とは、水の様にはたらく。
水は、あらゆるモノに恵みを与えながらも、決して争うこともせず、ただ与える一方である。そして、皆が嫌う湿地に自然と集まる。
まさに道に近い。
住居は地面に造るのがよく、心は淵のように深く底が見えないのがよく、人には真心を持って接するのがよく、話は誠実にするのがよく、政治は何もしないで治まるのがよく、問題には柔軟に取り組むのがよく、動くには最適な時期を選ぶのがよい。
何事も争うことをしなければ、人生において間違うことはないのだ。
【雑感】
人が発した「おもゐ」は、人に影響を与えながら人混みの中を漂い続ける。そして、その「おもゐ」は多くの人が集まるところに淀む。
だから、人の集まる所には様々な「おもゐ」が淀んでいる。人、家族、会社、国には「おもゐ」が宿っている。この「おもゐ」を人間は見ることが出来ないが、それぞれに漂っていてその雰囲気を感じることは出来る。この雰囲気が人、家族、会社、国の個性を醸し出す。
水のように清らかな「おもゐ」を発する人になりたいし、家族でありたい。そして、水のような清らかな「おもゐ」が集まる会社で働き、国に住みたい。