【二宮翁夜話 巻之一 二十二】 無學者の經驗(経験)恐るべし
【今日のこよみ】 旧暦2014年 9月 3日 大安 四緑木星
庚子 日/甲戌 月/甲午 年 月相 1.9(初月) 大潮
秋分 次候 蟄虫戸(むしかくれてとをふさぐ)
【今日の気象】 天気 晴れ 気温 19.6℃ 湿度 67%(大阪 6:00時点)
翁曰く、山芋掘は、山芋の蔓を見て、芋の良惡(よしあし)を知り、鰻つりは、泥土の様子を見て、鰻の居る居らざるを知り、良農は草の色を見て、土の肥瘠(こへやせ)を知る、みな同じ。所謂至誠神の如しと云う物にして永年刻苦經驗して、發明するものなり。技藝に此の事多し、侮るべからず。
【私的解釈】
尊徳翁が言う。
山芋掘りは、山芋の蔓を見て地中の芋の良し悪しを知り、ウナギ釣りは、泥の具合を見てウナギがこの場所に居るか居ないかを知り、よく出来る農民は、草の色を見て土が肥えているかどうかを知る。みな同じことなのだ。
つまり、「真心に神宿る」というものであり、永年に渡って励み勤めて経験を積むことで閃(ひらめ)くものなのである。
技芸にこういった例が多いものだ。職人を侮ってはいけない。
【雑感】
職人が重宝される世の中では無くなった。昔は家の近くに何店舗もあった畳屋が今はもう見かけることもない。
無くなれば新たに萌む。時代に添うように萌む。これも法則。