【老子道徳経 第十六章 】 生ききる智慧
【今日のこよみ】 旧暦2013年10月15日赤口 五黄土星
丁亥 日/癸亥 月/癸巳 年 月相 13
立冬 末候 金盞香(きんせんかさく)
致虚極、守靜篤。萬物並作、吾以觀復。
夫物芸芸、各復歸其根。歸根曰靜、是謂復命。
復命曰常、知常曰明、不知常、妄作凶。
知常容。容乃公。公乃王。王乃天。天乃道。道乃久。
沒身不殆。
【 書き下し文】
虚(きょ)を致すこと極まり、静を守ること篤(あつ)し。万物は並び作(お)こるも、吾れは以(も)って復(かえ)るを観る。
それ物の芸芸(うんうん)たる、各々その根(こん)に復帰(ふっき)す。根に帰るを静と曰(い)い、これを命に復ると謂(い)う。
命に復るを常(じょう)と曰い、常を知るを明(めい)と曰い、常を知らざれば、妄(みだり)に作(な)して凶なり。
常を知れば容(よう)なり。容は乃(すなわ)ち公(こう)なり。公は乃ち王なり。王は乃ち天なり。天は乃ち道なり。道は乃ち久し。
身を没(お)うるまで殆(あや)うからず。
【私的解釈】
心を空っぽにして静観して生活していると、あらゆるモノが次々と生じるが、必ず消えていくところが見える。
この世のすべてのモノは、どんどん生み出されては元なるトコロへ帰って行く。元なるトコロへ帰ることを「静寂」といい、これは命の源に帰るということである。
命の源に帰るまでの道のりを人生といい、人生の本質を知ることを知恵という。この知恵を知らないと人生が振り回されることとなる。
この知恵を知れば人生の進むべき道が浮かび出る。この道を進むことで世の役に立つ。世の役に立つことで王の雰囲気を身にまとう。王の雰囲気は太陽のように周囲の鬱なるモノを明るく照らす。この明るく照らす光が「おもゐ」なのだ。この「おもゐ」は永遠に消え去ることはない。
この法則を知ることで人生に迷うことはなくなるのだ。
【雑感】
人生の法則は、まず自分の真心に存在する太陽を意識することだ。この太陽は自分の中で健気に明るい光を永遠に発し続けている。
この真心の太陽の光を反射させるのが真心とは別に存在する心である。この真心の陽光を心に反射させて燦々と輝かせることで、まわりの雰囲気が明るくなる。まわりの雰囲気が明るければ、そこに笑顔が集まる。
辛気くさい人に出会うとこちらも影響を受けてイライラすることがある。
「あいつ辛気くさいんだって!」と愚痴を言ったところであいつは変わらない。
なぜ、他人の感情に自分が振り回されなければならないのか?馬鹿らしい。
他人を変えるより自分が変わる、これ人生の知恵ですよと、老子は言っている。
皇紀2678年9月10日まで あと、1759日