【神相全編 秘伝手相奥義】 其の六 天印紋・帶印紋・拝相紋・兵符紋・雁陣紋
天印紋(てんいんもん)
天印紋見乾位上、文章才調自榮華。
【天印紋乾位上にあらはるれば、文章才調にしておのずから栄華なり。】
爲官平歩天街上。凡庶堆金積満家。
【官となりてはつねに天街の上に歩む。凡庶はうづたかく金を積みて家に満つ。】
天印紋は、乾宮に基が起こり掌中に幾線かに別れて図の如く現れたるものをいう。この紋のある者は、学識に富み文章に秀で才智に優れ、心も自然と華やかである。もし、官に入れば自然と上に進んで高位高官に昇り、世間からの威徳を慕われ、一般の人は必ず財産に恵まれ裕福となり、家運も次第に繁盛する。ともに運気の強い相で一生安楽に栄華に暮らせるという相である。
帶印紋(たいいんもん)
掌上紋如帶印形。前程合主有功名。
【掌上の紋に印形を帯ぶるが如し。前程(ぜんてい)の主に合して功名あり。】
莫言富貴非吾願。自有清名作上卿。
【言うことなかれ富貴は我が願いにあらずと。自ずから清明あって上卿となる。】
帶印紋は、地紋(生命)線の中程に凡そ印籠形に似た楕円形の上図の如きものの現れたるをいう。
この紋のある者は、学識非凡で極めて聡明である。故に物事をして成らぬということなく、必ず成功して高名を博す。したがって財宝も集まってくるが、自分の富貴は好まず、社会の為にそれを使い、その精神の清らかさに一段と人の信用敬慕があり、したがっていつのまにか高位に祭り上げられる。公卿(こうけい)につらなり、その中でも上位に進んで、清明をあげるという相である。
拝相紋(はいそうもん)
拝相紋從乾位尋。其文好似玉腰琴。
【拝相紋は乾位より尋ぬべし。その文(もん)よく玉腰(ぎょくよう)の琴に似たり。】
性情敦厚文章異。常得君王顧眷深。
【性情は敦厚(とんこう)にして文章異なる。常に君王の顧眷(こけん)の深きを得。】
拝相紋は、乾宮からおこる図のごとき紋であって、この紋は天(感情線)地(生命線)人(生命線)三才紋の他に掌中に現れているものをいう。
この紋のある者は、性至って温順で円満にしかも雄大であり、情は至って厚く仁義に富んでいる。また、非常に学識があり、その説くところは世の中の模範となるほど立派である。そこで君王のおぼえめでたく、近臣に取り立てられ身近く奉仕し立身出世の光栄に浴するという相である。
兵符紋(へいふもん)
兵符紋現掌中央。年少登科仕路長。
【兵符紋は掌の中央に現る。年少に登科(とか)して仕路(しろ)長し。】
節鉞定應權要職。戎邊震威擁旌鎗。
【節鉞(せつえつ)定めて權要(けんよう)の職に應(あた)る。戎邊(じゅうへん)に威を震るって旌鎗(せいそう)を擁(よう)す。】
兵符紋は、掌中におこる図のごときものをいう。
この紋のある者は、年少にして武官となり、段々年を追って昇級し、大官となる。戦いに出ては必ず勝つ武勲をあらわし、国に入っては要職に就いてよく国を治め、一世の武将と名官としての名をあげる。又、王威に逆らう逆賊を討ち其の地に武と徳とをもってよく治め、武将の領主としての存在を高揚するというのである。武運に強く、徳望もあり、立身出世して名将となる相である。
雁陣紋(がんじんもん)
朝衙紋類雁排文。一旦功名姓字揚。
【朝衙(ちょうが)紋は雁排文(がんはいもん)に類す。一旦は功名して姓字を揚ぐ。】
出入皇都爲宰相。歸來身帶御爐香。
【皇都に出入りして宰相となる。帰り来たれば身に御炉(ぎょろ)の香を帯ぶ。】
雁陣紋は、掌の震宮と艮宮の両宮にまたがり起こり、掌中を通って兌宮に及ぶ図の如く現れたる紋をいう。
この紋ある者は、壮年より旺盛である。奮闘よく身を立て家を興し、財宝も集まり、巧とげ名を成して家門の名誉をあげる。又朝廷に仕えて重要され、遂には宰相となり、宮居の香気も身にしみて心神の高潔の香りゆかしい人となるというのである。実に最高の栄誉を担うという相である。
【参考】
【神相全編 秘伝手相奥義】 其の二 手掌八卦・十二宮・五行 - まどゐ。
【神相全編 秘伝手相奥義】 其の三 天地人三才紋之解 - まどゐ。