まどゐ。

~ おもゐを嗣ぎ、おもゐを纏ひ、おもゐを遣る ~ 

【老子道徳経 第六十四章】 コトは流れている

 

【今日のこよみ】 旧暦2014年 4月 4日 先勝  四緑木星

         癸酉 日/戊辰 月/甲午 年 月相 2.9 

         穀雨 末候 牡丹華(ぼたんはなさく)      八十八夜

 

【今日の気象】 天気 晴れ 気温 15.7℃ 湿度 72% (大阪 5:00時点)  

 

 

今日は八十八夜です。新茶の季節です。

歌詞に出てくる「茜(あかね)だすき」ですが、茶摘みに茜の襷(たすき)をするのも、ちゃんとした理由があるみたいです。

は、止血剤として知られている。素手の作業ゆえ、指先に怪我をしやすい茶摘みという作業に際して、茜で染めた襷の茜成分を擦り込みながら作業を継続するという先人の知恵がこの装束にある』とのこと。

 


「茶摘」~文部省唱歌メドレー「ふるさとの四季」より(根城中学校合唱部) - YouTube

 

 

 

其安易持、其未兆易謀。其脆易泮、其微易散。

 

爲之於未有、治之於未亂。合抱之木、生於毫末、九層之臺、起於累土、千里之行、始於足下。

 

爲者敗之、執者失之。是以聖人、無爲故無敗、無執故無失。

 

民之從事、常於幾成而敗之。愼終如始、則無敗事。是以聖人、欲不欲、不貴難得之貨。學不學、復衆人之所過。

 

以輔萬物之自然、而不敢爲。

 

 

 

【書き下し文】

 

その安きは持(じ)し易(やす)く、その未(いま)だ兆(きざ)さざるは謀(はか)り易し。その脆(もろ)きは泮(と)かし易く、その微(び)なるは散らし易し。

 

これを未だ有らざるに為(な)し、これを未だ乱れざるに治む。

 

合抱(ごうほう)の木も毫末(ごうまつ)より生じ、九層の台も累土(るいど)より起こり、千里の行も足下(そっか)より始まる。

 

為す者はこれを敗り、執(と)る者はこれを失う。ここを以(も)って聖人は、為すこと無し、故に敗るることも無し。執ること無し、故に失うことも無し。

 

民の事(こと)に従うは、常に幾(ほと)んど成るに於(お)いてこれを敗る。終りを慎しむこと始めの如くなれば、則(すなわ)ち事を敗ること無し。

 

ここを以って聖人は、欲せざるを欲して、得難(えがた)きの貨を貴ばず。学ばざるを学びて、衆人の過ぎたる所を復(かえ)す。以って万物の自然を輔(たす)けて、而(しか)して敢えて為さず。

 

 

 

 

【私的解釈】

 

安定している間はそれを維持しやすく、兆しが現れない間はそれを処理しやすい。脆(もろ)いうちはそれを溶かしやすく、幽(かす)かなうちはそれを消し去りやすい。

 

だからこそ、まだ現象が現れていない間に問題を処理し、まだ混乱が起きていない間に秩序を維持しておく。

 

両手を広げても抱え込めないほどの大木も塵ほどの小さな芽から成長し、九層にもなる高台も一盛りの土の積み上げから出来上がり、千里の長い旅路も足下から繰り出される一歩から始まる。

 

この些細な事実を軽視してあたふたする者は敗れ去り、策略を巡らす者は多くを失う。だから、聖人はあたふたすることがないから敗れ去ることも無く、策略を巡らすこともないから多くを失わない。

 

民衆が行う事業は、後もう少しで成し遂げられるというところで失敗してしまう。始めたときの慎重さを終わりまで維持できたなら失敗することはないのに、人には欲望があるため、なかなかそううまくコトは運ばないものだ。

 

だからこそ、聖人は欲望から解放されることを望み、自ら貴重なるモノを追い求めない。知識を貯め込むことから解放されることを望み、民衆の頭でっかちなところを修復する。このように、万物がありのままに成功へと流れるように努め、ことさらなことをすることはないのだ。

 

 

【雑感】

 

この世界の法則として、『人は最中(さいちゅう)に生きている』のである。時が流れており、この時が放つ見えない強力な魔力が瞬時に今を固めて過去にして行く。一度過去となれば、現象は固まってしまい絶対に変えることが出来ない。正に法則である。

 

この強力な魔力を意識して生活している人は少ない。しかし、この魔力を意識すると世の中のあらゆることは瞬間瞬間が積み重なっているに過ぎないことに感動する。命さえも瞬間瞬間が積み重なって命たり得ているのである。どんな現象も瞬間瞬間が積み重なり姿を現す。そして自分を取り巻く瞬間の魔力も他人を取り巻く瞬間の魔力も公正に同じ力を放っているのだ。

 

日本人の「しょうがない!」文化も、上の法則に基づくものである。ひとたび瞬間の魔力で固められてしまえば、もうどうしようもないのだから。。。。。

 

だから、あとは笑顔で『フフフ♫ しょうがないネ。まぁいいか』なのだ。

 

 


Culture shock: Shouganai カルチャーショック:しょうがない - YouTube