まどゐ。

~ おもゐを嗣ぎ、おもゐを纏ひ、おもゐを遣る ~ 

【老子道徳経 第五十九章】 スパイラルが生むチカラ

 

治人事天、莫若嗇。夫唯嗇、是以早服。早服、謂之重積徳。

 

重積徳、則無不克。無不克、則莫知其極。莫知其極、可以有國。有國之母、可以長久。

 

是謂深根固柢、長生久視之道。

 

 

 

【書き下し文】

 

人を治め天に事(つか)うるは、嗇(しょく)に若(し)くは莫(な)し。 

 

それ唯(た)だ嗇、ここを以(も)って早く服す。早く服するは、これを重ねて徳を積むと謂(い)う。

 

重ねて徳を積めば、則ち克(か)たざる無し。克たざる無ければ、則ちその極(きょく)を知る莫し。 

 

その極を知る莫ければ、以って国を有(たも)つべし。国を有つの母は、以って長久なるべし。

 

これを根を深くし、柢(てい)を固くし、長生久視(ちょうせいきゅうし)するの道と謂う。

 

 

 

【私的解釈】

 

人を治めて天命に仕えて行くには、物惜しみをして何事も無駄遣いをしないことが第一である。

 

そもそも物惜しみをするからこそ、よけいな欲も生ぜずに早くに道に添えるのである。早くに道に添うということは、早くから徳を積み上げているということである。

 

徳を積み上げれば無敵となる。無敵であればそのチカラは無限である。チカラが無限であれば国を安定して維持することが出来る。このスパイラルが生じることによって、国を安定して維持しようとする母性が生まれ、国は永続する。

 

このような状態を、深くしっかりと根を張り永遠に生きながらえる道と呼ぶのである。

 

 

 

【雑感】

 

二宮尊徳は推譲を説く。この思想は、親子の間に見られる「だだ相手のためにつくす」ということを社会関係にも拡げて、持てる者が持たざるものへ、富める側から貧しき側へ幾分かを「譲る」ことをいう。

 

物惜しみをして倹約をし、その倹約をした分の幾らかを蓄えこむのではなく、他に回すという、助け合いおもゐ遣りの精神。これも日本人には腑に落ちる考え方である。

 

今後の日本でこの推譲の考えの浸透が色々な面で鍵となると思う。

 

在日韓国人男性 遺族「日本で課税を」

4月25日 23時12分

パチンコ店などを経営し、4年前に亡くなった東京の在日韓国人の男性が、生前200億円に上る現金をひそかに韓国に持ち出し、韓国の銀行に預金していたことが男性の家族などへの取材で分かりました。東京国税局は130億円は男性の遺産に当たるとして家族に申告漏れを指摘し、追徴課税しました。

申告漏れを指摘されたのはパチンコ店やサウナなどを経営し、4年前、80歳で亡くなった東京の在日韓国人の男性の家族4人です。家族などによりますと、男性は平成3年ごろ、韓国の銀行の関係者から持ちかけられ、財産を韓国に移すことにし、現金200億円を何度かに分けて飛行機でひそかに韓国まで運んだということです。男性は、200億円を韓国の銀行に預金していましたが、男性が死亡したあと韓国の税務当局は日本に住む家族に対して相続税を課税したということです。

しかし家族は「日本で納税したい」として韓国の税務当局に不服を申し立て、去年、東京国税局に事情を説明したということです。

東京国税局は、男性の遺産に当たる分は130億円に上るとして申告漏れを指摘し、韓国で課税された分を差し引いて相続税3億円を追徴課税しました。

男性の家族は「もともとは日本で貯めた金なので韓国で課税されるべきではないと考えた。東京国税局から指摘された分は修正申告して納税した」と話しています。 

在日韓国人男性 遺族「日本で課税を」 NHKニュース