【老子道徳経 第四十一章】 道の実態
【今日のこよみ】 旧暦2014年 3月 3日 大安 四緑木星
癸卯 日/戊辰 月/甲午 年 月相 2.3
春分 末候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
【今日の気象】 天気 晴れ 気温 11.8℃ 湿度 66% (大阪 6:00時点)
今日は旧暦のひな祭り、桃の節句です。
旧暦を日常生活に取り入れると彩りが増しますね。新暦と旧暦で2回もお祭りがやって来るんですから。
上士聞道、勤而行之。
中士聞道、若存若亡。
下士聞道、大笑之。
不笑不足以爲道。
故建言有之。明道若昧、進道若退、夷道若纇。
上徳若谷、大白若辱、廣徳若不足、建徳若偸、質眞若渝。
大方無隅、大器免成、大音希聲、大象無形。
道隱無名。夫唯道、善貸且善成。
【書き下し文】
上士は道を聞きては、勤めてこれを行なう。
中士は道を聞きては、存(あ)るが若(ごと)く亡(な)きが若し。
下士は道を聞きては、大いにこれを笑う。
笑わざれば以(も)って道と為(な)すに足らず。
故に建言(けんげん)にこれあり。明道は昧(くら)きが若く、進道は退くが若く、夷道(いどう)は纇(らい)なるが若し。
上徳は谷の若く、大白(たいはく)は辱(じょく)なるが若く、広徳は足らざるが若く、建徳は偸(おこた)るが若く、質真(しつしん)は渝(かわ)るが若し。
大方(たいほう)は隅(かど)無し、大器は免成し、大音(たいおん)は希声、大象(たいしょう)は形無し。
道は隠れて名なし。それただ道は、善く貸し且(か)つ善く成す。
【私的解釈】
優秀な志ある者が道について説かれると、その教えを、集中して実践に移す。
平凡な志ある者が道について説かれると、その教えを、迷いながらも実践に移す。
上辺だけの志ある者が道について説かれると、その教えを、笑い飛ばし受け付けない。
道というモノは、言葉で説明できるモノではないから、笑い飛ばされてこそ、その実態をよく表している。
だから、いにしえからこのような格言がある。「本当に進むべき道は隠れており、進んでも進んでも前に進まず、簡単に進めるようで障害が多いものなのだ。」
最上の徳を備える者ほど、暗い谷底のようにひっそりしており、本当に潔白な者こそ、罪を犯した者だと思われてしまい、大きな徳を備える者ほど、アホに思われてしまい、律儀に徳を積んでいる者ほど、徳を積むことをさぼっていると思われ、本当に純粋な者ほど、コロコロ心変わりすると思われてしまうものだ。
大きな対立ほど次第に丸く収まり、偉大な人物ほど成功することはなく、大きな声ほどかき消され、大きな形あるモノほど形が消えていく。
道は姿を見せず言葉を発することもない。ただただ、道は、「おもゐ」にチカラを与え、万物を誕生させているのだ。
【雑感】
あなたが抱く真のおもゐが外に溢れ出すことは無いし、他人に分かってもらおうと足掻(あが)いても無駄なこと。
生きるとはそういうこと。
あなたをじっと見守っているのは、あなた自身。
あなたはあなた自身の温かい眼差しのもと自由に生きれば良い。
見えることのないあなたを見守るチカラの存在を知るとあなたの世界がガラリと変わる。
これらのことは、般若心経の中の「羯諦(ぎゃーてぃ) 羯諦(ぎゃーてぃ) 波羅羯諦(はらぎゃーてぃ) 波羅僧羯諦(はらそうぎゃーてぃ) 菩提薩婆訶(ぼじそわか)」という呪文に集約される。
この呪文は、あなたを見守る者が唱える応援の声なのだ。
「さぁ、往きなさい。私が見守っていますから安心して進みなさい。どんなことがあっても私があなたを守ってあげますから、あなたは自分の人生を味わい尽くしなさい」