【老子道徳経 第三十六章】 秘伝の法則
【今日のこよみ】 旧暦2014年 2月 25日 友引 四緑木星
乙未 日/戊辰 月/甲午 年 月相 23.8
春分 初候 雀始巣(すずめはじめてすくう)
【今日の気象】 天気 晴れ 気温 6.5℃ 湿度 64% (大阪 6:00時点)
將欲歙之、必固張之。
將欲弱之、必固強之。
將欲廢之、必固興之。
將欲奪之、必固與之。
是謂微明。柔弱勝剛強。
魚不可脱於淵、國之利器、不可以示人。
【書き下し文】
将(まさ)にこれを歙(ちぢ)めんと欲すれば、必ず固(しばら)くこれを張れ。
将にこれを弱めんと欲すれば、必ず固くこれを強くせよ。
将にこれを廃(はい)せんと欲すれば、必ず固くこれを興せ。
将にこれを奪わんと欲すれば、必ず固くこれに与えよ。
これを微明(びめい)と謂(い)う。柔弱(じゅうじゃく)は剛強(ごうきょう)に勝つ。
魚は淵(ふち)より脱すべからず。国の利器(りき)は、以(も)って人に示すべからず。
【私的解釈】
縮めてやろうと思うなら、まずは、しばらくの間膨らませよ。
弱めてやろうと思うなら、まずは、しばらくの間強くさせよ。
潰してやろうと思うなら、まずは、しばらくの間繁栄させよ。
奪ってやろうと思うなら、まずは、しばらくの間与えよ。
これらのことを微かにしか見えない知恵という。柔よく剛を制すというのはこのことである。
皆が欲しがる魚を深い淵の底から出してはいけない。国を治める秘法も人に明かしてはだめなのだ。
【雑感】
他人との対立は何故起こるのか?
もし、あなたがある人をムカつくとしたら、その人を自分と同じレベルの人だと認めているのだろう。
なら、あなたはその人を蹴落とそうとするのではなく、あなた自身がもう一段階上の高みに上がれば良い。
逆に、ある他人があなたに対してよく突っかかって来るのなら、その人はあなたを同じレベルの人だと認めているのだろう。
こういう時は、「とんでもない。あなたは私なんかよりも優れていますよ」と、相手に花を持たせてやれば良い。
結局、人は自分の器量以上の人間にはなれやしないのだから。
最近、社会を騒がしている人を見ても分かるように、化けの皮は遅かれ早かれ剥がれて自滅して行くものだ。
この事実を知れば、他人など眼中に入れる必要はどこにも無く、意識を自分に向けさえすれば良い。
私の周りで繰り広げられる現象は、私の器量にふさわしい景色なのだ。
それが煩わしいなら、私の器量を一段階上に上げれば良い。