【老子道徳経 第十九章】 素直なココロ
【今日のこよみ】 旧暦2013年10月18日先負 五黄土星
癸寅 日/癸亥 月/癸巳 年 月相 16
立冬 末候 金盞香(きんせんかさく)
絶聖棄智、民利百倍。
絶仁棄義、民復孝慈。
絶巧棄利、盗賊無有。
此三者、以爲文不足。故令有所屬。
見素抱樸、少私寡欲。
【書き下し文】
聖を絶(た)ち智を棄(す)つれば、民の利は百倍す。
仁を絶ち義を棄つれば、民は孝慈に復す。
巧を絶ち利を棄つれば、盗賊有ることなし。
この三者、もって文足らずと為(な)す。故(ゆえ)に属(つ)ぐ所あらしめん。
素を見(あらわ)し樸(ぼく)を抱(いだ)き、私(わたくし)を少なくして欲を寡(すくな)くす。
【私的解釈】
取るに足らないプライドを捨てて、小賢しい知恵に頼らなければ今より百倍稼ぐ事が出来る。
己そっちのけでの他人への思い遣りや礼節の押しつけを捨てれば、自ずと家族を大切にし他人を慈しむ。
要領の良さとボロ儲けを捨てれば、盗人がはびこることも無い。
この三点を言葉では説明し尽くせない。だから言葉をかえてみる。
人にもともと備わる素直な心で思いつくまま行動し、自分が自分がというおもゐを少なくし、欲を追い求めないということである。
【雑感】
「素直になりなさい!」と、子供の頃によく注意された思い出がある。
でも、これは言い換えれば、「黙って言うことをききなさい!!」
という意味。
老子が言っているのは、自分の真心に対して素直になりなよ、ということ。
ラッキーなことが続け様に起こることがたまにある。
そういう時に真心が心の奥で、ひと言ささやく。「怖い。。。」と。
自分が自分がと他人を押しのける行いをしていると、
心の奥で真心が「もう、止めときなよ」と、ひと言だけささやく。
この一瞬のひと言に素直でありたい。