【老子道徳経 第七章】 聖人が持つ神秘なチカラ
【今日のこよみ】 旧暦2013年10月10日先勝 五黄土星
壬午 日/癸亥 月/癸巳 年 月相 8
立冬 次候 地始凍(ちはじめてこおる)
天長地久。
天地所以能長且久者、以其不自生、故能長生。
是以聖人、後其身而身先、外其身而身存。
非以其無私邪、故能成其私。
【書き下し文】
天は長く地は久(ひさ)し。
天地の能(よ)く長く且(か)つ久しき所以(ゆえん)の者は、その自ら生ぜざるをもって、故に能く長生(ちょうせい)す。
ここをもって聖人は、その身(み)を後にして而(しか)も身は先(さき)んじ、その身を外にして而も身は存(そん)す。
その無私なるをもってに非(あら)ずや。故に能くその私(わたくし)を成す。
【私的解釈】
天は永遠であり、大地も永久である。
天地が永遠であり永久であるのは、自らの意志で永遠であろうとしていないからこそ永続しているのだ。
この法則により、聖人は自分のことを後回しにしていても、自然と自分が先頭に押し出されてくるのだ。自分を世の中の輪から外していても、自然と世の中の輪の中に加えられるのだ。
無私無欲だからこそ自然と己が際立つのだ。
【雑感】
世の中から求められるから注目され、世の中が怒るから懲らしめられる。この見えない「世の中のチカラ」は強力だ。
世の中の代弁者だと自負する新聞社やテレビ局の人々がこのチカラに魅了されるのも分からないでもないが、結局は、あなたたちもこの「世の中のチカラ」の影響下に居るのが現実なのだ。
最近の食品偽装の報道を見ていると良く分かる。変な意図を持って調子に乗るとロクなことにならないですよ。
ほんと、世の中はよく出来ている。と感心することしきり。